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三陸ワカメはワカメの王様
ワカメは日本各地で生産されている他に、中国や韓国でも養殖が盛んに行われ、日本に輸出されています。産地によって特色は異なりますが、中でも群を抜いて評価が高いのが「三陸ワカメ」です。リアス式海岸が連なる三陸沿岸は、海岸が深く切り立ち、潮の流れがよく、ワカメが育つ好条件がそろっています。 |
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三陸ワカメは全部美味しい
【葉体】
ふだん食べられている葉の部分です。「三陸ワカメ」は肉厚で、弾力があって柔らかく、歯ざわりが良いのが最大の特徴です。ときに、ワカメの表面に白い毛のようなものが見えることがありますが、これは毛(もう)そうと呼ばれるものです。毛そうはワカメの葉体の一部で食べても全く害はありません。
【中芯(くき)】
ワカメの真ん中を通っているくきにあたる部分です。歯ざわりがよく、サラダや炒め物に最適です。
【メカブ】
ワカメの胞子葉と呼ばれ、食物繊維・ミネラルの宝庫です。刻んで酢の物や、ご飯にかけて食べると最高に美味です。
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「三陸ワカメ」はその美味しさを逃がさず、また、調理の手間が省けるよう3種類に加工させています。保存や調理方法に合わせてお選びください。
【湯通し塩蔵ワカメ】
湯通ししてあるので、そのままでもOK。サッと火を通すと、クロロフィルの働きで鮮やかな緑色になり、見た目にもおいしそう。
【干しワカメ】
とりたてのワカメを天日に干し、機会乾燥で仕上げたもの。磯の香りが豊かで、扱いも簡単。水にもどしてひとゆでし、どんな料理にも活躍!
【カットワカメ】
湯通しした塩蔵ワカメを塩抜きし、機械乾燥したものをカットした便利なワカメ。保存性抜群で、調理も簡単。使いたいときにすぐに使えるスグレモノ。
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生
態
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藻体は根、茎、葉の各部からなり、成葉は大きいもので2m以上にもなります。葉は平らで葉の先端部の葉片まで通っています。葉の部分は羽状にさけてやわらかく、黄褐色です。成熟すると、茎の根に近い部分の両側にヒダになった黒褐色の成実葉(胞子葉)をつけます。これはメカブとかミミと呼ばれ、非常に粘質に富んでいるので、すりおろしたりきざんだりしたものをメカブトロロといって郷土料理にもなっています。
ワカメは一年草の海藻です。春から初夏にかけて成実葉から遊走子(胞子)が放出されるとワカメは枯れます。放出された遊走子は岩面などにつくと発芽し、オスまたはメスの配偶体をつくり、夏は休眠します。秋に水温が20度以下になると配偶体は受精します。受精した卵は発芽し、冬から春にかけて幼芽、幼葉、成葉と成長します。
名前の通り、若いものほど味が珍重されるので、早春にとったものを良品としますが、一般には3〜6月ごろ採取します。採取はメカリ(和布刈)船を出し、竹ざおの先にカマをつけたメカリざおで刈ります。海女がもぐってとるところもあります。
天然のワカメは、付着する岩礁の多いところで、しかも潮流の流れの激しい沿岸のものほど良質とされています。
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ワ
カ
メ
の
生
物
学
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ワカメは、褐藻植物、異型世代綱、コンブ目、コンブ科、ワカメ属に属しています。ワカメ属にはワカメの他にヒロメとアオワカメがあります。
ワカメは大きな葉体世代(胞子体期)と微少でカビのような雌雄に分かれる世代(配偶体期)という形態が異なる異型の世代交代を行います。
■分布
ワカメは北海道の稚内から九州南端までの日本海沿岸と日本のほとんど全域に分布しています。波浪の強い外海岩礁域から静穏な内湾域まで、また、垂直的には潮間帯下部から漸深帯の浅所に生息しています。日本以外ではロシア沿海州南部から朝鮮半島にかけ分布し、極東アジアの特産種です。近年、船舶の航行が盛んになるにつれオーストラリア、ニュージーランド、フランスにおいて天然での生育が確認されるようになりました。
■品種
ワカメは葉の形や分布の相違から次の2型に大別することができるとされています(2型の他にナルト型を加えて3型とすることもある)。
品種名 |
特徴 |
ワカメ
(南方型ワカメ) |
本州太平洋沿岸中南部、日本海沿岸に多く、特に浅い所に生育するものが多い。一般に小型で、茎が短く、葉の切れ込みが浅い。体長に比して葉片数が多く、成実葉(芽株)のヒダの数はあまり多くありません。成実葉と栄養葉とは連なることが多く、成実葉の縁に小さな舌状の葉を生ずることもあります。 |
ナンブワカメ
(北方型ワカメ) |
犬吠岬以北の三陸沿岸及び北海道沿岸に多いが、その他の地域でも、深処、特に潮流の激しい所には生息しています。大型で茎が長く、葉の切れ込みが深い。葉片数が体長に比して少なく、成実葉のヒダの数は著しく多い。 |
ナルトワカメ |
徳島県鳴門に産します。茎が短くて、成実葉は栄養葉と連続し、その縁辺から葉片が出ています。
松島湾では内湾にワカメ型、外海にナンブワカメ型が分布しています。
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三
陸
ワ
カ
メ
の
栄
養
素
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ワカメはアルカリ性食品の中でも特にアルカリ度の強い食品。上の表からもわかるように、カルシウムをはじめヨード、鉄、ビタミンなど、不足しがちな栄養素を豊富に含む自然食の優等生です。また、ワカメには血圧を下げるメラニンという特殊な物質や、便秘防止の役目をするアルギン酸にも富み、家族みんなの美容と健康に効果を発揮。高栄養、しかもノンカロリーのヘルシーフードとして注目を浴びるのもうなずけますね。
ワカメと主な食品の栄養素含有の比較
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ワカメ
湯通し塩蔵 |
ワカメ
素干し |
白菜 |
牛乳 |
鶏卵 |
タンパク質(g) |
4.1 |
15.0 |
1.1 |
2.9 |
12.3 |
脂肪(g) |
0.5 |
3.2 |
0.1 |
3.2 |
11.2 |
糖質(g) |
9.0 |
35.3 |
1.9 |
4.5 |
0.9 |
灰分(g) |
33.3 |
30.8 |
0.6 |
0.7 |
0.9 |
カルシウム(mg) |
190 |
960 |
35 |
100 |
55 |
ビタミンA(IU) |
470 |
1,800 |
0 |
110 |
640 |
ビタミンB1(mg) |
0.03 |
0.30 |
0.04 |
0.03 |
0.08 |
ビタミンB2(mg) |
0.07 |
1.15 |
0.04 |
0.15 |
0.48 |
ビタミンC(mg) |
0 |
15 |
22 |
0 |
0 |
(日本食品標準成分表より抜粋)
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