現在、純天然もののアワビはほとんどありません。稚貝を養殖して放流し、解禁日を定めて採取していますが、この採取基準が時代とともに変化しています。江戸や明治のころは10cm以下はとってはいけないとされていました。しかし、現代ではそんなに待ってはいられないと、少々緩くなっています。たとえば岩手県では平均基準は9cm、しかし同県の三陸町吉浜地区では0.25cm厳しくしてアワビを守っています。わずか0.25cmといますが、アワビは5年で12cmにしかならない成長の遅い生物ですので、この差が資源保護に重要な意味をもっているのです。
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