●秋刀魚がでると按摩が引っ込む
サンマが出回る季節は秋。季候が良く、旬のサンマを食べて栄養も行き届いているので庶民の健康は上々。おかげで按摩の商売はあがったりになるという意味。サンマの滋養を伝えることわざです。
●秋のサンマは孕み女に見せるな
秋のサンマは脂肪が強すぎて妊娠した女性にはかえって毒になるという意味。
●秋刀魚騒がせて豆腐やあがったり
サンマの大漁は魚河岸を戦争のような忙しさにする。それに引きかえ豆腐屋は安いサンマに客を食われて商売にならないという意味。
●貧乏秋刀魚に福鰯
愛知県地方ではサンマが豊漁の年は米が不作になり、イワシがたくさん獲れる年は豊作になるといわれています。



落語「目黒のサンマ」の一席は、殿様が鷹狩りの帰途、目黒の茶屋で舌つづみを打ち、「サンマは目黒に限る」といった噺。殿様が食べた焼きたてのサンマは、もちろんたっぷり脂ののった房州産の「江戸前」。ところで、この殿様を徳川三代将軍「家光」、舞台は目黒区目黒三丁目あたりと謎解きした資料があります。しかし、家光は1651年にこの世を去っており、サンマ漁の歴史とどうも計算が合わない。11代将軍家斉ならぴったりくるとか。とはいえ、やっぱり家光の方がロマンがあるということで、もっぱら「家光派」が多いとか。



サンマの塩焼きにはだいこんおろしとすだち、レモンといった柑橘類を添えることが多いようですが、これにはれっきとした理由があるのです。だいこんは魚の焦げで心配される発ガン物質を抑える働きが、柑橘類には豊富なビタミンCが発ガン物質の生成を抑える働きがあり、食味も含めてこれはまさに絶妙の食べ合わせといえます。



尾の付け根ところが黄色くなっているのは、栄養状態のいいサンマ。こういうのは肝がおいしいといわれます。また、サンマはオスよりもメスの方がうまいとのこと。見分け方は、メスは下アゴがオリーブ色で、先がまるい。反対にオスの下アゴはオレンジ色をしていてとがっています。